
ニュースの概要
日本政府観光局(JNTO)が2月18日に発表した1月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比4.9%減の約360万人だった。前年を下回るのは4年ぶりのことだ。
最大の原因は中国からの観光客の激減。前年比60.7%減の約38万人と、ほぼ3分の1にまで落ち込んだ。背景には中国政府による日本への渡航自粛の呼びかけがある。航空便も大幅に減便されている。
一方で、それ以外の国からの訪日客はむしろ増えている。韓国は21.6%増の約118万人で、全市場初の単月110万人超え。台湾やオーストラリアも単月で過去最高を更新し、アメリカやタイなど17の国と地域で1月として過去最高を記録した。
僕はこう思う
正直、最初にこのニュースを見た時の感想は「あぁ、やっぱりな」だった。
中国に依存するとこうなる
中国政府が「日本に行くな」と言った途端に6割減。これがインバウンドの現実だ。
去年まで中国人観光客は訪日客の中で消費額トップだった。年間約2兆円。「爆買い」という言葉が流行った時から、日本の観光業は中国マネーに大きく依存してきた。
でも、政治的な理由一つでここまで一気に減るものなのかと改めて思う。相手国の政府の判断ひとつで、日本の観光産業が揺さぶられる。それって経済的にかなり危うい状態だったんじゃないだろうか。
これは観光に限った話じゃない。レアアースでも半導体の素材でも、中国依存のリスクはずっと指摘されてきた。「儲かるから」と依存していたものが、ある日突然止まる。今回のインバウンドの件は、そのリスクが目に見える形で出たケースだと思う。
意外と全体は持ちこたえている
ただ、ここで面白いのは、中国人が6割減っても全体では4.9%減で済んでいるということだ。
韓国が118万人、台湾が69万人と大きく伸びている。アメリカ、オーストラリア、タイ、インドネシアも軒並み増えている。しかも1人あたりの消費額で見ると、アメリカ人は約34万円、オーストラリア人は約39万円で、中国人の約25万円より高い。
つまり、中国以外の国が穴を埋めつつある。「中国がいなくなったら日本の観光は終わり」みたいな話が一時期あったけど、現実はそうでもなかった。
もちろん観光地によっては打撃を受けているところもあるだろう。でもマクロで見れば、市場の多様化が進んでいるのは悪い話じゃない。
本当に困るのは誰か
僕が気になるのは、この状況を「大打撃」と報じるメディアの姿勢だ。
確かに中国人観光客が減れば、ドラッグストアや免税店の売上は落ちるだろう。でも一方で、オーバーツーリズムに苦しんでいた京都や大阪の住民にとっては、少し落ち着く面もあるんじゃないかと思う。
そもそも、特定の国の観光客に経済を依存すること自体がおかしいのであって、今回の件は「分散しておいてよかった」という教訓になるべきだと思う。
政府がやるべきことは、中国に頭を下げて観光客を呼び戻すことじゃない。東南アジアや欧米、中東といった多様な市場を育てて、どこか一国に振り回されない観光産業を作ることだ。
まとめ
中国人観光客が6割減った。でも日本全体のインバウンドは意外と持ちこたえている。韓国、台湾、欧米豪が伸びて、市場は確実に多様化している。
一つの国に経済を依存する怖さは、今回ではっきりした。観光も、経済安全保障の視点が必要な時代なんだと思う。

