
ニュースの概要
高市首相が、衆院選で当選した自民党所属の全議員315人に、1人あたり約3万円のカタログギフトを配っていたことが分かった。単純計算で約945万円、報道によっては「1000万円超」とも伝えられている。
2月24日に週刊文春が報じ、高市首相は同日夜にX(旧Twitter)で事実を認めた。翌25日の参院本会議でも「法令上、問題はない」と答弁している。
文春は事務所関係者の話として、2月19日頃から首相の弟で政策秘書の男性が議員会館の各事務所を回って手渡した、と報じている。ギフトは近鉄百貨店のカタログギフトで、テレビ報道では「御祝 高市早苗」と記されたのし(贈答品に付ける名前入りの紙)が映されている。
原資について高市首相は、自身が支部長を務める自民党奈良県第2選挙区支部の政治資金であり、政党交付金は使用していないとXで説明している。
僕はこう思う
正直、第一印象は「またか」だった。
2025年3月、石破前首相が1期生15人に10万円分の商品券を配って大炎上したのは記憶に新しい。あの時は陳謝して全員が返却する事態にまでなった。あれからまだ1年しか経っていない。
法的にどうかという話を先にしておくと、高市首相は「政党支部から同じ党の議員への品物の寄付であり、法令上問題ない」と主張している。政治資金規正法は個人から政治家個人への寄付を原則禁止しているが、政党や政党支部から政治家個人への寄付は例外として認められている。今回はこの例外規定に該当するというのが首相側の説明だ。

正直、法律に詳しいわけじゃないから、これが本当にセーフなのかは僕には分からない。ただ、一つ言えるのは、合法かどうかと、やっていいかどうかは別の話だということだ。
スーパーで値札を見て、買うかどうか真剣に悩む。毎月の給料から投資に回して、コツコツ増やそうとしている。そういう生活をしている人間からすると、3万円×315人という規模感は普通に引く。しかも自分の懐じゃなくて政治資金から出している。のしには「御祝 高市早苗」と自分の名前を入れて、まるで個人の贈り物のように配っておきながら、原資は非課税の政治資金。なんというか、その感覚のズレがきつい。
連立パートナーの維新・吉村代表は「合法なもので、きちんと説明を尽くせば良い」と擁護したが、国民民主の古川国対委員長は「一般の人の感覚からすると『えっ』と思う」と言い、玉木代表も「違法ではないけど、もう少し想像力を働かせた対応があってもよかったのではないか」とコメントしている。個人的には玉木代表の感覚が一番近い。
自民党の中からも「法的に問題なければいいというものではない」「石破前首相のことがあって1年だ。何をやっているのか」という声が出ているらしい。そりゃそうだ。
石破前首相の商品券と比べても、ちょっとモヤっとする部分がある。石破前首相の場合、商品券は私費(ポケットマネー)から出したとされている。それでも大炎上して全額返却になった。今回の高市首相は、原資が政治資金だ。自分の懐は痛めずに、非課税の金で315人に配っている。どっちがマシとかいう話でもないが、構図としてはむしろ今回の方がえぐい。
もう一つ気になるのが、同じ奈良県第2選挙区支部をめぐる話の矛盾だ。
2025年12月、この支部が法律上の年間上限を超える献金を受けていた問題が発覚した。その時、高市首相は「あくまで政党支部への献金であり、自分個人への献金ではない」という趣旨の釈明をしていた。つまり「支部と私は別ですよ」と言ったわけだ。
なのに今回は、その同じ支部の金を使って「高市早苗」と自分の名前入りのカタログギフトを配っている。受け取った側からしたら、どう見ても高市さん個人からの贈り物だ。
つまりこういうことだ。お金をもらう時は「支部のお金であって私のお金じゃない」。お金を配る時は、自分の名前で堂々と配る。同じ財布なのに、場面によって「個人」と「支部」を使い分けている。法的にセーフかどうかは別として、これでは信用されなくても仕方がないと思う。
高市首相の保守としての政策は評価している。積極財政も、安全保障の強化も、方向性は正しいと思う。でも、こういうところで「所詮は自民党なんだな」と思ってしまう。裏金問題であれだけ批判を浴びて、それでも懲りない。国民の感覚とのズレに気づかない。
26日、高市首相はカタログギフトの返還は求めない考えを示した。石破前首相の時は全員が商品券を返却したのに、高市首相は「問題ない」で押し通す構えだ。
まとめ
法的にどうかは専門家に任せるとして、少なくとも国民感覚からすると完全にアウトだと思う。
政策で頑張っているのは認めるけど、「政治とカネ」の感覚がズレたままでは、いつか足元をすくわれる。期待しているからこそ、こういうところはちゃんとしてほしい。
【参考】

