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3月19日、高市首相がワシントンでトランプ大統領と首脳会談を行った。就任後初のワシントン訪問で、到着時にはトランプ大統領からハグで出迎えられる場面もあった。会談は約1時間半に及んだ。
ざっくり言うと、アメリカへの大型投資を追加で出しつつ、中東情勢や安全保障でも日米の足並みを確認した会談だった。具体的には、対米投資の第2弾として小型原子炉や天然ガス発電など約11兆円規模のプロジェクト、ホルムズ海峡の安全確保に関する日本の立場の説明、重要鉱物の供給網強化、ミサイルの共同開発・共同生産などが発表・確認されている。高市首相は夕食会で日米関係を「最強のバディ(相棒)」と表現し、安倍元首相の言葉を引いて「ジャパン・イズ・バック」とも語った。
僕はこう思う
外交の立ち回りとしては、悪くなかった。ただ、家計にすぐ効く話が出たかというと、そこはかなり薄い。
まず、ホルムズ海峡の問題。トランプ大統領が各国に艦船派遣を求めている中で、高市首相が「日本の法律の範囲内でできることとできないことがある」ときっちり線を引いたのは安心した。なんでもかんでもアメリカに言われるがまま、というのが一番まずい。トランプ大統領も「日本はNATOと違う」と述べていて、少なくとも欧州と同列に扱われなかった。そこは良かった。
「最強のバディ」発言については、ちょっと気恥ずかしい感じはある。安倍さんの外交を意識しているのは分かるし、日米の連携を強めること自体は大事だ。ただ、トランプ大統領を持ち上げすぎて、肝心な時にNOと言えなくなるようでは本末転倒だろう。
一番気になるのは、対米投資の話だ。第2弾だけで約11兆円。全体では5500億ドル、約87兆円規模の投融資計画になっている。次世代原子炉とかAI関連のデータセンターとか、テーマ自体は将来性があるんだろう。でも、これだけの官民のリソースをアメリカに振って、僕たちの生活はどう良くなるのか。そこがよく分からない。
エネルギーの安定供給やレアアースの確保は、長い目で見れば生活に関わる話だとは思う。でも「今月の電気代が下がる」とか「ガソリンが安くなる」みたいな実感が出てくるまでには、相当な時間がかかる。これだけの規模を対米に振る以上、国内の家計にどんな形で返ってくるのか、政府はもっと説明すべきだ。
同じ日に日銀が利上げを見送ったけど、中東情勢の悪化や原油高に加えて米株安も重なり、日経平均は1866円安。市場はかなり荒れた。オルカン積んでる身としても、生活に直結する不安としてはこっちの方が大きい。
防衛費の増額は必要だ。中国や北朝鮮の動きを見れば、日本が自分の国を自分で守る力を持つのは当然のことだ。高市政権はGDP比2%への前倒しも進めている。方向性は間違っていない。ただ、その財源を増税で賄うのだけは勘弁してほしい。防衛特別法人税がいよいよ来月から始まる。企業への増税が始まれば、結局僕たちの給料やボーナスにも響きかねない。じわじわ重くなっていく感覚がある。
安全保障で強めの姿勢を出し続けているのは一貫している。でもやっぱり、外交の成果を国内の暮らしにちゃんと還元してくれないと、「アメリカとの関係は良くなりました」だけでは納得できない。減税や物価対策、そっちもちゃんとやってほしいというのが本音だ。
まとめ
ホルムズ海峡で日本の立場をきちんと説明したのは良かった。ただ、巨額の対米投資が僕たちの生活にどう返ってくるのかは、まだ見えない。
期待しすぎず、でもちゃんと見ていきたいと思う。
【参考】

