「食料品の消費税ゼロ」首相が臨時国会への法案提出に意欲。頼むから、このまま止まらないでくれ

目次

ニュースの概要

2月27日、衆議院予算委員会で新年度予算案の実質的な審議が始まった。高市首相は飲食料品(酒類・外食を除く軽減税率8%の対象品目)の消費税を2年間ゼロにすることについて、責任をもってやっていく決意だと述べた。各党に参加を呼びかけて設置した社会保障国民会議での議論を踏まえ、臨時国会に法案を提出したい考えを示した。なお、2月20日の施政方針演説では「野党の協力が得られれば夏前に中間取りまとめ」という方針も示されている。

2026年度内の実施についても「可能性としては否定しない」と踏み込んだ。また、2年間の終了後は現行の軽減税率(8%)に戻すことを想定しているとも述べた。外食産業への影響など課題が指摘される中、首相はできない理由ではなく、できるようにする方法を党内で議論し前向きな提案をしてほしいと求めた。

僕はこう思う

まず率直に、「あ、ちょっと進んだな」と思った。

以前このブログで「検討じゃなくて『やる』と言ってほしい」と書いたことがある。今回の発言は、少なくともそこに近づいた。検討を加速する、から、法案を提出したい、責任をもってやっていく決意だ、へ。言葉のトーンが一段上がっている。

党内の慎重論に対して、前向きにやれという姿勢を崩さないのは、316議席の力があるからだろう。この姿勢は素直に応援したい。

ただ、だからこそ越えるべき壁をちゃんと越えてほしい

一つ目は財源だ。飲食料品の消費税をゼロにすると、年間約5兆円(財務省試算では約4.8兆円)の税収が消える。2年間で計10兆円近い。高市首相は「赤字国債に頼らない」と何度も言っていて、代替財源として補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などを例示している。考え方としては筋が通っている。でも「じゃあ具体的にどの補助金を削るのか」「どの税の優遇を見直すのか」がまだ見えてこない。ここが前回から動いていないところだ。

よく分からないけど、年5兆円を無傷で捻出するのは相当大変だろうということは想像がつく。やると決めたなら、ちゃんとした財源を示してくれと思う。財源がグダグダのまま法案だけ出して「やっぱり無理でした」となったら、庶民の期待を裏切るだけだ。それだけは勘弁してほしい。

二つ目は国民会議だ。施政方針演説では「野党の協力が得られれば夏前に中間取りまとめ」という方針が示されている。だが、前日の2月26日に開かれた社会保障国民会議の初会合には、中道改革連合も国民民主党も参加していない。出席したのは自民・維新・チームみらいと閣僚だけだ。「協力が得られれば」の前提がそもそも揺らいでいる。「まとまらなかったから法案出せませんでした」という言い訳に使われないか、そこが心配だ。

三つ目は2年後の話。首相は今回の予算委で、2年間の終了後は軽減税率の8%に戻す想定だと述べた。前にこのブログでも「たった2年で本当に区切れるのか」と書いたけど、一応その方針が示された形だ。ただ、スーパーの値段が一旦ゼロになってから8%に戻ったら、たとえ「元に戻しただけ」でも庶民の感覚としては実質的な値上げだ。その時にどう説明するのか。ここはまだ不安が残る。

四つ目は外食業界の反発。2月25日に日本フードサービス協会が記者会見を開いて、この政策に対して慎重な対応を求めている。スーパーの惣菜が0%で店内飲食が10%となると、税率差が10ポイントに広がる。客離れを懸念するのは当然だし、たった2年のためにレジ改修や対応にコストをかけろと言われたら、現場はたまったものではないだろう。この声を「反対派のノイズ」として無視するのではなく、ちゃんと対策を示してほしい。応援しているからこそ、ここを雑にしないでくれと思う。

金利の話も無視できない。1月には長期金利(10年国債利回り)が一時2%台と27年ぶりの水準まで上がった。インフレ観測や日銀の政策だけでなく、財源の裏付けが見えない減税政策への警戒感も金利を押し上げる要因として意識されている。金利が上がれば住宅ローンにも響くし、国債の利払い費も膨らむ。庶民の食卓を楽にするための政策が、別のところで庶民を苦しめるようなことになったら本末転倒だ。だからこそ、財源をちゃんと示してくれという話に戻る。

でも、少なくとも「検討します」で止まっていた頃よりは確実に前に進んでいる。ここで止まらないでほしい。頼むから、このまま走り切ってくれ。

まとめ

「検討の加速」から「法案提出したい」へ。言葉は確実に前に進んでいる。あとは中身だ。財源を示してくれ。国民会議を動かしてくれ。外食の現場を置き去りにしないでくれ。

庶民はスーパーで買い物するたびに8%取られている。その現実は今日も変わっていない。だから、止まらないでくれ。

【参考】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次