防災庁、ようやく設置へ。必要だと思う。でも「作りました」で終わらないでくれ

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3月6日、政府が「防災庁」の設置法案を閣議決定した。年内の発足を目指している。

防災庁は内閣に置かれる新しい組織で、トップは首相。専任の防災大臣も置く。いまの内閣府の防災部門を作り替える形で、人員も352人まで増やすという。2026年度予算案では関連経費として202億円が計上された。

ただ、各省庁に出せるのは「勧告」までで、相手にあるのは「尊重義務」。地方にも「防災局」を置く方針で、政府は2カ所を想定している。場所や名前などの細かいところはこれから政令で決めるらしい。

東日本大震災から15年の節目を前にしての動きになる。


僕はこう思う

まず、作ること自体は正しいと思う。

能登半島地震の時もそうだったけど、大規模な災害が起きるたびに省庁間の情報共有や連携に課題が出る。国土交通省はこっち、厚生労働省はあっち、自衛隊はまた別ルート……。被災地から見たら、誰が仕切っているのかわからない状態だ。平時から専任で回す常設の司令塔が薄かった、というのはずっと言われてきた話で、それをちゃんと組織にしようというのは間違っていない。

ただ、気になることが2つある。それとは別に、もう1つ大事だと思うことがある。

1つ目は、「勧告」に法的拘束力がないことだ。

防災大臣が各省庁に「勧告」を出せる、というのが今回の目玉らしい。でも相手に課されるのは「尊重義務」まで。つまり、勧告を無視したからといって、すぐ何か罰があるわけではない。極端に言えば「話は聞きます。でも今はうちも手一杯で」と理由をつければ拒否できる余地がある。縦割りを崩したいなら、ここはもう少し強くてもよかったんじゃないかとは思う。

2つ目は、防災庁そのものが現場で動く組織ではないことだ。

実際に動くのは自衛隊や警察、消防、自治体になる。防災庁はその上で全体をまとめる役目だ。もちろん調整役は必要だと思う。ただ、アメリカのFEMAは全米10か所に地域拠点を持ち、現場に直接入れる体制を作っている。日本案の地方局は2カ所の方針で、そこと比べると常時動ける拠点がかなり薄い気がする。

それとは別に、たぶん本当に大事なのは、災害が起きた後の号令だけじゃないと思っている。

避難所でちゃんと寝られるのか。必要な物がちゃんと届くのか。被災した自治体に国がすぐ入って支えられるのか。そういう、起きる前から地味に準備しておく部分のほうが、むしろ大事なんじゃないかと思う。防災庁って、そこを積み上げられて初めて意味がある組織のはずだ。

15年の節目を前に、ようやく法案が出た。遅いよりはマシだと思う。

でも、この15年で避難所や物資の仕組みが十分よくなったかと言われると、正直まだそうは思えない。「防災庁を作りました」で終わったら、次の大きな災害でもまた同じことになる。そこだけは、本当にやめてほしい。


まとめ

防災庁を作る、という方向そのものはいいと思う。

でも「勧告」に法的拘束力がない中で本当に縦割りを動かせるのか。現場で直接動く組織ではない中で、いざという時にちゃんと回るのか。そして何より、平時の地味な準備をちゃんと積めるのか。

名前だけ増えて終わり、にならないでほしい。ちゃんと動いて、避難所や物資のところまで変わって、やっと意味があると思う。


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